心の病気と体の病気〜こころの心理学〜

 

心の病気と体の病気

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  【こころの病気】-心の病気と体の病気

身体の病気に隠された「心の病気」とは・・・。心の病気は、身体にもさまざまな影響を与えます。
これは人間の精神活動を担う大脳が、ストレスなどを受けて、身体の働きをコントロールする自律神経のリズムが乱れてしまうから。ということになります。

ストレスが原因で胃炎や胃潰療が起こるのはよく知られていますが、女子中高生に急増中の拒食症、過食症なども自己嫌悪や自己否定などの心の病気が原因となっていると考えられています。
また、登校拒否になる子供に見られる、学校に行こうとすると頭痛がする、お腹が痛くなるという症状も、何らかの強い精神的ストレスの原因があるために生じているのです。


<拒食症と過食症>
「拒食症」は、痩せたいという願望がきっかけとなって食事を制限するようになることです。ところが、しだいに食事のコントロールができなくなり、食べ物をいっさい受けつけない身体になり、ときには生命に危険が及ぶこともあります。
「過食症」になると、太ることを病的なまでに恐れているのに、抑えきれない強い衝動にかられて食べ過ぎてしまいます。食べてから激しい自己嫌悪に陥り、のどに指を入れて無理やり吐いたり、下剤を乱用しては、また大食いを始めるという繰り返しを自分ではやめることができません。
どちらも思春期の少女に多い摂食障害で、症状は正反対ですが、拒食症と過食症は表裏一体の病気と考えられます。傾向としては、まじめで几帳面ないわゆる「いい子」タイプや、他人の評価ばかり気にしたり、融通性がなく、友人とのつき合いも表面的である人に多く見られるようです。
摂食障害の原因は、患者の数だけあるといわれますが、拒食症の大きな要因は成熟拒否とされています。自分の身体がどんどん女らしさを増していくことに強い不安や恐れを抱き、食事を拒否することで身体的な成熟を拒否するわけです。
テレビや雑誌に登場するスリムなモデルを魅力的とする社会風潮も、たいして太っていない女性に「自分は太っている」という誤ったイメージを植えつけ、食事をとらなくなる原因のひとつにあげられます。また、過食症になった女性の多くは、母親とのコミュニケーション不足の傾向がある。という報告もあるようです。


<過敏性揚症候群>
皆さんも旅行に出かけて環境が変わったり、大事な仕事の前などで緊張して便秘になったり下痢をしたことがあるかと思います。
職場や家庭でのストレスや人間関係のトラブル、過労、睡眠不足などが原因で起きる腸のトラブルを「過敏性腸症候群」といいます。健康な腸には、ビフィズス菌をはじめとする「善玉菌」が生息しています。ところが、ストレスが過剰になると、これに代わってウエルシュ菌や大腸菌などの「悪玉菌」が増えて便秘や下痢を起こすのです。几帳面で神経質、緊張しやすい性格の人に多く、いわゆる身体症状に隠されたうつ病だといえます。
ストレスが継続すると腸が過敏になり、下痢と便秘を繰り返したりします。大切な試験のときに便意をもよおしたり、ひどい場合は、毎朝トイレに何度も行かないと出社できなかったりと、日常生活にも支障をきたします。また、登校拒否や出社拒否などにつながることもあります。
大脳の感覚と腸が条件反射の関係にあるので、学校や職場を離れてストレスが解消されても、症状が続くことがあります。


<虚血性心疾患>
中間管理職の中に、狭心症や心筋梗塞などの「虚血性心疾患」を訴える人が急激に増えています。
これは、心臓を取り囲んでいる冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、心筋に酸素や栄養を運ぶ血液が供給できなくなり、胸や肩、腕などにかけて強い痛みをともないます。
特に、やり手といわれる政治家やワンマン社長 などに多く見られます。慢性的な緊張状態にあり、交感神経系をたえず刺激しているために、内分泌、新陳代謝、心臓血管などに悪影響を及ぽし、虚血性心疾患を引き起こすと考えられます。
アメリカのフリードマンとローゼマンは、虚血性心疾患にかかりやすい人には、共通の行動パターンがあることを指摘し、それを「タイプA」と呼んでいます。
このタイプの人は、
 @極端な競争心と攻撃性。
 A過激な警戒心。
 B仕事達成の強い意欲。
 C短気と性急さ。
 D時間に追われ、じっとしていない。
 Eまくしたてる話し方。
 F強い責任感。
などの性格的特徴があります。タイプAの特性に当てはまる人は、慢性的なストレスを避け、リラックスして過ごす時間を作るようにしたほうがよいでしょう。

 
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