性格の分類いろいろ〜こころの心理学〜

 

性格の分類いろいろ

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  【こころの病気】-性格の分類いろいろ

性格分類には、大きく「類型論」と「特性論」と いう2つの考え方があります。

類型論は、
性格をいくつかの類型に分ける考え方 で、個人の性格の特徴をできるだけありのままに記述しようとします。さらに、類型論は何を分類の基準とするかによって、いくつかに分けることができます。クレッチマーは身体的側面から、ユングは 心理的側面から性格を分類しました。

特性論は、
人間のパーソナリティをいくつかの特性の集合として考え、活動性・社交性・依存性・劣等感などの特性をどれくらいずつ持っているかによって個人差が現れると考えます。性格の違いを量的にとらえるわけです。「神経質だが活動的」というように、特性の強弱によって各人の性格の違いを明らかにすることができます。

ドイツの精神病理学者クレッチマーは、数多くの精神病患者と面接した経験から、性格と体格の聞には一定の関係があることに気づきました。彼は人間の体型を「躁うつ気質」「分裂気質」「てんかん気質」の3タイプに分類(クレッチマーの類型論)しています。クレッチマーの説では、体型を見ただけで、その人の性格がわかってしまうことになるので、それをそのまま信じることはできませんが、相手や自分の性格を理解する手がかりのひとつにはなるでしょう。以下の@〜3を参照。

@「躁うつ気質」の人【肥満型】
社交的で、あたたかみがあり、親切。周囲の人と気楽につき合い、ユーモアがあり楽しい。ただ、感情にムラがあり、生き生きしているかと思えば、うつ状態で突然落ち込んでしまうこともある。

A「分裂気質」の人【やせ型】
このタイプは、静かで控えめ。自分の世界に閉じこもる傾向があり、周囲の動きや人との関わりには関心が薄い。神経質で、きまじめな面もある。ちょ っとした言葉に敏感に反応したりする反面、他人の気持ちには無頓着で鈍感なところがある。

B「粘着気質」の人【闘士型】
几帳面で真面目な人柄。礼儀正しく義理がたい。正義感が人一倍強く、頑固で自分の意見を最後まで押し通す。気にいらないことがあると、突然、激しく怒り出すことがある。


<ユングの向性分類>
ユングは、人間の関心(心的エネルギー)が自分自身の外側と内側のどちらに向かっているかで性格を「外向型」と「内向型」に分けました。外向型の人は、社交的で、他人と一緒に仕事をすることを好み、陽気で、決断力があり、自信があります。一方、内向型の人は、非社交的で無口、控え めで思慮深く、実行力には欠けるが、がまん強い性格です。一般的に、外向型の方を理想的な性格と思う人が多いこともわかっています。
  内向型   外向型
人間関係 ・自分のカラに閉じこもりがち
・人前で仕事をするのが苦手
・社交的で交際範囲が広い
・世話好き
・他人がいるところのほうが仕事ができる
行動力 ・無口で融通がきかない
・がまん強い
・ひかえ目で、考えが深い
・行動的
・熱しやすく、冷めやすい
・自信がある
感情 ・感受性が強い
・自分を外に出さない
・感情をコントロールできる
・陽気で、劣等感がない
・ユーモアがある
・感情の表現が豊か
リーダーシップ ・迷うことが多い
・実行力に欠ける
・周囲の変化に柔軟に対応で きない
・決断が早い
・統率力がある
・周囲の変化に関心があり、調和を心がける


<フロイトの性格理論>
フロイトは、人間の心をその機能によって「エス」「超自我」「自我」という3つの側面に分けて考えました。
 エスは、人間のパーソナリティの中の本能的衝動といった側面で、純粋に快楽を求めます。
 超自我は、道徳心や良心に支配された部分で、常に正しい行動に導こうとします。
 自我は、意識的な部分で、衝動的なエスを抑え、道徳的に動こうとする超自我との調整役を果たします。
これらは、幼児期の家族関係の影響を多く受げながら、性格を形成していくと考えています。

日本で広く使われている性格テストは、この特性論に基づいて
12の特性(因子)で統計的に調べられています。
こううつ性
たびたび憂うつになるなど陰気な悲観的な性質

回帰性傾向
気が変わりやすい、感情的であるなど、情緒の 不安定な性格を見るもの

劣等感
劣等感になやまされる、自信がないなどの性質

神経質
神経質、心配性、イライラするなどの性質

客観性がないこと
ありそうもないととを空想する。寝付かれない などの空想性と週敏性がある

協調性がないこと
不満が多い、人を信用しないなどの不満性と不 信性がある

愛想がないこと
気が短い、正しいと思うことは人に構わす実行 する。人の意見を聞きたが5ないなどの、攻撃 的な性質で、これが情緒不安定と結合すれば社 会的活動性になり、情緒不安定な性質と結びつ いて現れるときは社会的不適応、喧嘩好きで、 問題を起こしやすい性格となる

一般的活動性
仕事が速い、動作がきびきびしている芯どの身 体的な活動性と、lまがらかな性質
-のんき
人と一緒にはしゃぐ、いつも何か刺激を求める などの、気軽な、のんきな、衝動的な性質

思考的外向
深くものごとを考える傾向がある、たびたび考 え込むくせがある、などによって現される思索 的傾向、膜想的反省的傾向の逆方向の性格。そ の反対の性格は、思考的内向と呼ばれる

支配性
会やグループのために働く、ひっとみ思案でな いなどの、ソシアルリーダーシップを見るもの

社会的外向
人との交際を好む、人と話をするのは好きであ るなどの、社会的接触を好む傾向。その反対の 性格は、社会的内向と呼ばれる

 
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