欲求不満とは〜こころの心理学〜

 

欲求不満とは

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  【こころの病気】-欲求不満とは

ひとつの欲求が満たされると次の欲求が沸いてくる。それも満たされると次の欲求が・・・。
人間とはこの欲求が際限なく繰り返されているのだと思います。

この欲求はマスローによって段階的に解かれています。

突然ですが、あなたは今の生活に満足していますか?
満足していないという方がほとんどかもしれませんが、悲観する必要はありませんよ。
今の自分に満足できないのは、さらに上を目指そうとする欲求が働いている証拠だといえるからです。アメリカの心理学者マスローは欲求の発達階層説を唱えています。

人間には生きていくために必要な4つの基本的欲求と、成長欲求があるとしています。
まず基本的欲求として、
 人間には本能的な食べる、眠る、排池するなどの「生理的な欲求」が生まれます。
 続いて身の安全や安定を求める「安全欲求」を持ちます。
 これらが満たされると、
  今度は自分を受け入れてくれる仲間や集団を求める「所属欲求」と「愛情欲求」が現れます。
 次に他人から認め られたり、尊敬されたいという「承認欲求」や「自尊の欲求」が続きます。

そして、最後に自らの才能や能力、可能性を開発したいという「自己実現欲求」が生まれるわけです。
一番最後が人間として最も高次な欲求となりますね。マスローは人間は常に欲求に向かって成長していく生きものだと考えたわけです。まさに「衣食足りて礼節を知る」という言葉通りといえるでしょう。


<フランクルの実存的欲求不満>
オーストリアの精神医学者フランクルは、生活の意味を見出そうとする意志を喚起させる実存分析的精神療法を提唱しています。
精神分析によってコンプレックスや心的外傷(トラウマ)に由来するとされている症例の中にも、実は生活の意味を見出すことができないような欲求不満が原因であるものが多いと指摘しています。これを「実存的欲求不満」と呼ぶそうです。

このような状態に陥った人は「いま頑張ればやがてよくなる、夢がかなう」などという時間的展望をなくし、日々を何の目的もなくその場しのぎに過ごし、自由と責任の重みからも逃れて、集団の中に埋没ていく傾向が見られるようです。

フランクルは人聞にとって重要なのは「自分の人生がどれほど意味あるものと思えるかどうか」だといいます。そして、人間は本質的にはその意味を見いだそうとする意志に支配されているといっています。
これは、フランクル自身がアウシュヴィッツ強制収容所に入れられた経験があり、そのときの体験をもとにした考えであるといわれています。

 
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