カイン・コンプレックス〜こころの心理学〜

 

カイン・コンプレックス

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誰にでもコンプレックスはある。この「コンプレックス」とは、ユングの言葉です。何らかの感情と結びついている、無意識の中の心的内容の集まりで、人間の態度や行動、感情などに強い影響力を持ちます。
このコンプレックスや幼児期のショッキングな体験や抑圧によって、心理的バランスが崩れ、いつしかトラウマ(心的外傷)になっていくのです。
  【こころの心理学】-カイン・コンプレックス

カイン・コンプレックス

ユングによれば、親の兄と弟の関係において差別的に愛情を受けた場合、それによって苦しんだ原体験は、兄弟以外の関係にも投影されていくといいます。このコンプレックスを負う者は、親の愛を巡る葛藤の相手となった兄弟と同じ世代の周囲の人間に対して憎悪を抱くこともあるといいます。

これを「旧約聖書」の創生記第4章に出てくる、アダムとイヴの2人の息子、カインとアベルの物語から、兄弟間の葛藤や相克を「カインコンプレックス」呼んでいます。

農業を営んでいたカインと、羊飼いをしていたアベルは、あるとき神に供え物をしました。神はアベルとその供え物を喜びましたが、カインに対してはその供え物を顧みませんでした。これに嫉妬したカインはアベルを殺してしまい、神によって「エデンの東」に追放されてしまうというお話です。

姉や弟などがいる方は、幼い頃に親の愛情を独占したくて、他の兄弟に対して敵意を持ったり、競争心を燃やしたりした。という記憶はあるかと思います。その強さや性質は兄弟関係や親子関係に左右されますが、たいていは親から注意されたりして無意識の中に押し込められます。それが、兄弟関係にまつわるコンプレックスとなって尾を引くこともあります。
一般的には、兄弟間の心の葛藤、兄弟・姉妹間で抱く競争心や嫉妬心のことを総称しています。

 
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