薬物療法〜こころの病気〜

 

薬物療法

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精神科の治療として、薬物療法、精神療法、リハビリテーション、養生法などがあります。これらの治療法を、病気の種類や病状、病気の段階と経過、患者さんの個人的な要素や周囲の環境などに照らしながら組み合わせて、治療を進めていきます。
       
  【こころの病気】-薬物療法

薬物療法

心の病気は、脳や中枢神経に何らかの障害が起きていて、それが引き金となり、さまざまな症状が起きると想定されています。例えば「気分を改善する」「不安をやわらげる」「興奮を静める」「幻覚や妄想を抑える」など、さまざまな症状に対して薬物を使用して対応する治療法です。

うつ病や統合失調症では、神経伝達物質の異常が関係していると考えられ、こうした異常を改善する薬物は、治療に際しでも大切な役割を果たしています。しかし、まだまだ 「心の病気に薬が効くとは思えない」「神経に作用する薬なんて怖い」などと不安を抱いている方もいらっしゃいます。
ですから心の病気で使われる薬を正しく理解し、不安を解消し、スムーズに治療を進める必要があるかと思います。

薬物療法に用いられる主な薬としては、次のようなものがあります。
抗不安薬
いわゆるマイナー・トランキライザーと呼ばれる薬。ベンゾジアゼピン系の薬物が主体て脳の情動変化に関係する脳内の神経受客体に作用。過度な不安状態を引き起こしている神経系の活動を軽くする働きがあります。
抗精神病薬
統合失調症は脳内のドーパミン系神経伝達システムという系統回路のうちの、中脳から辺縁系という部分の働きが過剰になるため発症すると考えられています。幻覚や妄想などの症状は、ドーパミンが異常活動している際の症状と推定され、抗精神病薬はドーパミン系の過剰活動を抑える働きがあります。
抗うつ剤
うつ病の症状は脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達系の機能が低下してしまうため現れると考られ、抗うつ剤は、セロトニンやノルアドレナリンの活性を高めることで、気分を上向きにするといわれています。
気分安定薬
操状態を抑制する薬。代表的なのが炭酸リチウムとカルバマゼピン。もともとカルバマゼピンは、てんかんの治療に使われる薬。躁状態の抑制にも効果があるために使用しています。
睡眠薬
日本で使われている睡眠薬のほとんどがベンゾジアゼピン系のようです。鎮静作用、催眠作用が高く、耐性が作られにくいため従来使用されていたバルビツール系の薬剤よりもはるかに依存になりにくいといわれています。 また、大量に飲んだとしても生命への危険性は低いといわれています。
この他、抗酒薬(アルコール症)、抗けいれん剤(てんかん)、抗てんかん薬などもあるようですが、
私は医師ではありませんので、詳しい説明はここでは差し控えたいと思います。
※使用方法など詳しい情報は医師の指示に必ず従ってください。


<正しい薬の飲み方>
薬を処方するとき、「1日3 回、食後30分以内」などと一般的な指示を出します。食後でないと薬が効きにくい場合もありますが、食後にしておくと、飲み忘れが少ないため便宜上そうしている場合もあります。
また、空腹時より胃に対する負担も軽減できます。
「食後」というと、たまたま食事を抜かしたときには、薬まで抜かしてしまいますので注意を要しますね。
水やお湯で飲むと、薬がよく溶けて吸収されやすく、胃腸への刺激もやわらぎます。水なしで飲むと、のどや食道に薬が付着して粘膜を傷つけることがあり危険です!
また、中には食事と一緒に飲んだり、食直後に飲むと血中濃度が上がる薬もありますから、医師から飲み方について明確な指示が出た場合は、必ず守りましょう。
薬はアルコールとの併用で効き目が強くなるため、服用時のアルコールは控えて下さい。他の薬と一緒に飲むことも、相互作用で好ましくない効果が現れることがあります。他の薬を飲んでいるときは、必ず主治医に相談するようにして下さい。


<薬の副作用>
副作用の出方は、薬の種類や処方された量にもよりますが、本人にとっては辛いものです。
心の病気で処方される薬には、飲み始めに「口が渇く」「眠気がする」「ふらつく」「ボーッとする」などの副作用が現れることがあります。
しかし、しばらく服用しているうちに治まったり、副作用を抑える薬を併用したり、量を加減することで軽くすることができます。薬が処方されたときは、どんな副作用があるのか医師によく確認しておき、その場合の対処も相談しておくと良いでしょう。

 
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