安定した心の状態の維持〜こころの病気〜

 

安定した心の状態の維持

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  【こころの病気】-安定した心の状態の維持

安定した心の状態とは? ということですが、その前に人間の脳についてお話します。
脳は、多数の神経細胞(ニューロン)から成り立ち、神経細胞同士が網目のような複雑な連絡網を作り、情報交換をしています。
神経細胞のニューロン間で信号(刺激)をやりとりするために必要な物質は、神経伝達物質と呼ばれています。50種類以上の神経伝達物質が確認されていますが、その働きが比較的解っているのは数10種といわれています。

神経細胞間で行われる情報交換は、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を介して行われています。
この仕組みは次の通りです。
二つの神経細胞があるとき、その接合部を「シナプス」と呼び。情報を発信する側をシナプス前部と呼び、情報を受け取る側をシナプス後部と呼びます。
このうちシナプス前部の神経細胞が興奮し、電気シグナルがシナプス前部の神経細胞の末端に到達すると、神経伝達物質が放出されます。放出された神経伝達物質は、シナプス後部まで泳いでたどりつき、樹状突起や細胞体の上にある受容体と呼ばれる部分に結合します。
神経伝達物質を受け取った受容体からは新しい電気シグナルが発生し、これが神経線維を伝わっていくことで、刺激が脳内を伝わり、脳の働きを決定します・・・。(こう言っても少し難しいですね。^_^;)

私たちが普通に動いたり、感じたり、考えたりできるのは脳の働きによるものですが、これを決定するのに重要な働きをするのが脳内をかけめぐる神経伝経伝達物質といわれるものです。神経伝経伝達物質は、数10種類あるといわれていますが、今のところわかっているもので主になものは、アセチルコリン、セロトニン、アドレナリン、ドーパミン、γ-アミノ酪酸(GABA-ギャバ)などです。

精神活動の面で最も重視されるのはγ-アミノ酪酸(GABA-ギャバ)、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどです。特にドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンを総称してモノアミン神経伝達物質といいます。
情動に大変大きな働きを起こし、また多数の脳内の部位に大きな影響を及ぼすことで知られています。

ノルアドレナリンは、幸福感、不安感などの情動に関係
    ドーパミンは、攻撃性、陶酔感、快感などを与える
    セロトニンは、覚醒、睡眠などの生体リズムや、情動などに関係
      ギャパは、脳全体の神経シグナルを抑制するブレーキ役を果たす(抑制性神経伝達物質)
 アセチルコリンは、記憶に関与する他、目覚め、学習、睡眠に関係

大きくは、ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなど、神経を興奮させプラスに働くものと、
ギャバのように神経を抑制させ、マイナスに働くものとに分けられます。

人間は何らかの刺激を受けると、まず大脳で解析します。その後、海馬に送られ「パペッツの回路」と呼ばれる各部位をめぐる流れに乗り、そこで感情が生まれ、生まれた感情は再び大脳に取りこまれ、長期記憶などになります。このような一連の流れに神経伝経伝達物質は大きな役割を果たしているのです。

脳の働きの基本単位は、ひとつひとつの神経細胞(ニューロン)の興奮で、ニューロンから次のニューロンに情報を伝達していくことで、高次の脳の機能が営まれています。この伝達をシナプス伝達といい、伝達の際に神経伝達物質が放出され伝達をつないでいきます。

例えば、興奮、幻覚、妄想などの症状を伴う統合失調症という病気では、脳内のドーパミン系神経伝達システムのうち、中脳から辺縁系の過剰な活動が、この病気の発症につながっていると考えられています。
また、ノルアドレナリンやセロトニンの量が適度にあるときは気分がよく、元気もあります。
しかし、これらが過剰にあると、ハイになりすぎたり(躁状態)、過剰に不安になったりします。
逆に、これらが少なくなると、気分が落ち込む、いわゆるうつ状態になっていくのです。

さて本題ですが、安定した心の状態とは、脳内の神経細胞間で受け取る興奮性の神経伝達物質と、抑制性の神経伝達物質の量とバランスがうまくとれ、脳内の神経細胞が適度に興奮している状態といわれています。
そのために神経伝達物質は、脳が異常な働きをしないように、それぞれの種類によって脳内の必要な部分に存在し、放出される量もコントロールされています。
しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れると、心の症状が発生するといわれているのです。


パペッツの情動回路(1937)
パペッツ(J.W.Papez)は基本的にキャノンらの説を支持しながらも、情動に関与している部分は
視床や視床下部だけではないことを突きとめました。
パペッツは「情動が海馬−脳弓−乳頭体−視床前核−帯状回−海馬という神経回路によってもたらされる」としたのです。この回路は広くパペッツの回路として知られています。

 
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