人格障害〜こころの病気〜

 

人格障害

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まだままだ「心の病気」は正しい理解を得られていないのが現状かと思います。誤った偏見を持ったり、「病気ではなく単なる気持ちの持ちようだ!」というようなことで解決しようとする人も少なくありません。
新たな心の病気が増えつつある「心の時代」だからこそ、心の病気に対し多くの人々が正しい理解を持ち適切に対応することが必要不可欠なことだと思います。
  【こころの病気】-人格障害(境界性・妄想性・分裂病質・自己愛性・強迫性・反社会性)

人格障害(境界性・妄想性・分裂病質・自己愛性・強迫性・反社会性)

その人の持っている「人格」が常道からはずれてしまって、社会生活に障害をきたす。
物事の考え方や行動が極端にずれていて周囲を困らせ、最終的には自分も苦しむ。
青年期や成人期早期に始まることが多く、長期にわたってその人格が安定しいて、苦痛を伴う。


概要(症状)
人格障害とは一般には本人自身には自覚はなく、自分は悩まず周囲の人を悩まします。そのため、現実生活上、相当追い詰められて、はじめて問題に気づきます。これが神経症との大きな違いです。
また人格障害にも、いろいろなタイプがあり、この病気をひとくくりにすることは難しいといえます。

ここでは、性格に極端な偏りがみられ、社会的に問題を 引き起こす6つのタイプについて説明します。
@境界性人格障害
感情が激しく不安定で、それまで普通にしていたのに、突然怒りだしたりします。対人関係もうまくいかず、友達もできにくいといえます。その一方で、孤独に弱く、常に誰 かと一緒にいてもらいたがり、他人に見捨てうれるのを極端に怖がります。
「自分に好意的で、支えてくれそうだ」と思うと、相手の気持ちは考えず、積極的に近寄ります。相手が少しでも冷たい態度をとると執拗に執着し、完全に見捨てられたと思うと、手のひらを返したように批判しはじめます。
また、気分や感情の波がとても激しく、気に入らないことがあると、壁に頭をぶつける、暴力をふるう、自殺未遂や自傷行為など、他人や自分を傷つける行為をくり返すこともあります。
A妄想性人格障害
極度に疑い深く、他人の言葉をすべて自分への批判と捉えるように解釈します。根拠もなく「盗聴されている」と訴えたり、他人と目があっただけで「にらまれた」と言うため、周囲は怖くて近づかなくなります。家族に対しても根拠のない恨みや疑いを持ち続け、激しく怒る、暴力をふるうといったトラブルを起こすこともあります。
B分裂病質人格障害
「変わり者」と表現されるととが多く、よそよそしく感情がないかのように見え、他人にまったく興昧がなく、いつも一人で行動しています。感情や怒りを表すことはほとんどなく、叱られてもほめられても、嬉しいのか悲しいのかわかりません。人と親密な関係を持とうとせず、趣昧や仕事に夢中になることもありません。
C自己愛性人格障害
自分は他人よりも優れている、人とは違うと思い込み、自分の能力を過大評価しています。ほめられたい、尊敬されたいという思いが強く、自分のやったことを「すごいことだ」などと強調して周囲に話します。自分の話に他人も同調してくれると思い込んでいるため、ちょっとした批判や非難にあっても自尊心が強く傷つけられます。
その反面で、他人の才能や業績は「たいしたことない」と過小評価し、批判的なのも特徴です。一般には他人に自分の話はよくしますが、人の話にはほとんど関心を示さない傾向があり、周囲からは「倣慢な人」という印象をもたれがちです。また、自分を無視されることに対して異常な怒りをもって反応することがあり、この怒りの程度は強烈で、ときに殺人・傷害事件に至る場合もあります。
D強迫性人格障害
物事すべてにおいて常に完壁でなければ我慢できず、規則、順序などにこだわり過ぎるあまり、物事がスムーズに進まなくなります。たとえば、本棚に並べる本の順番をきちんと決め、少しでも順序が違うと気に入らないなどです。
また、こうした自分のやり方を家族や同僚・部下に強要することもあります。度を越した完全癖が災いし、人との付き合いがうまくいかない、娯楽や趣昧が持てないこともあります。
E反社会性人格障害
他人に迷惑をかけることに、何の良心も感じず、社会ルールを無視し、犯罪行動をくり返します。
ささいなことにも怒りやすく、すぐに暴力行為に走る、物を破壊する、平気で嘘をつくなどの行動が見られます。
トラブルを起こした自分を常に正当化し、罪の意識はなく、無反省で刑罰を受けても改めません。15歳ごろから、学校や社会のルールを守れない行動が目立ち、動物を虐待するなどの行為が見られることもあります。

以上の人格障害のうち、
 ABは精神病的特徴の強いタイプ
 CDは神経症的傾向の強い タイプ
 @Eは精神病と神経症の中間タイプ
に分類されます。


対策は
本人に自覚がある場合であっても、問題意識を持たないことが多いので、積極的な受診は望めません。
ですから家族や周囲の人が精神科や専門施設へと相談しにやって来るパターンが多いようです。
いずれにしても、気づいた家族が早めに受診し、精神科医などの専門家と相談しながら、治療や暴力行為などへの対策を考えることおお勧めします。


ポイントは
ご家族や周囲の人は、その言動や行動に振り回されてしまいます。同じ価値観で話をしても無駄なことが多く、逆に問題を複雑にすることになりかねません。なるべく早く精神科医やカウンセラーなどに相談し、最悪のことも考慮した対策を考える必要があります。
日常生活の面では、言動に振り回されることのないように、毅然とした態度で、かつ愛情を持って接することが必要かと思います。

 
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