強迫性障害〜こころの病気〜

 

強迫性障害

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まだままだ「心の病気」は正しい理解を得られていないのが現状かと思います。誤った偏見を持ったり、「病気ではなく単なる気持ちの持ちようだ!」というようなことで解決しようとする人も少なくありません。
新たな心の病気が増えつつある「心の時代」だからこそ、心の病気に対し多くの人々が正しい理解を持ち適切に対応することが必要不可欠なことだと思います。
  【こころの病気】-強迫性障害

強迫性障害

精神障害のひとつで、今まで強迫神経症と呼ばれていたもの。
ひとつの考えが頭から離れず、無意昧と認識していても、同じ行為をくり返す。
頭の中では無意味、不合理だとわかっているのに、あることが気にかかり、
同じ行為をくり返さずにはいられない。


概要
強迫観念は、自分では無意昧なことだとわかっていても、ある考えや行為にとらわれてやめることができなくなります。例えばデパートの屋上にいたとして「ここから落ちたら・・・。」という考えが頭に浮かんだとします。普通はすぐに消えてしまうような、こうした想念がくり返し浮かんでは消えたり、頭の中を占領してしまい他のことが考えられなくなります。
それに対して強迫行為と呼ばれる症状もあります。これは、外出後に鍵をかけたかどうか不安になり、何度も家に戻って確認する。夜寝る前 にタバコの火を消したかどうか不安になり、何度も起きて確認する。
こうした行為は、自分では不合理だとわかっていてもやめることができなくなってしまいます。

強迫観念と強迫行為は、一緒に起きることもあれば、バラバラに起こることもあります。一緒に起こる場合は、例えば「手にバイ菌がついていて不潔だ」という強迫観念が浮かび、くり返し手を洗うことでバイ菌を消そうとする強迫行為が一緒に現れます。


どんな症状
強迫観念がくり返し浮かぶ ことで苦痛を感じたり、また強迫行為をくり返し行うことで、
一日に何時間も無駄にする、勉強や仕事がスムーズに いかないなど、日常生活に支障が出てきます。

また、強迫観念には、
-計算強迫-
 レシートなど目に触れるものはすべて計算しなければ気がすまない。
-詮索癖-
 物事の原因や理由を(人はなぜこの世に存在するのか、など)
 どこまでも詮索しなければ気がすまない。
-質問癖-
 はっきりしない事柄があると徹底的に質問して明らかにしないと気がすまない。
などもあります。


対策は
強迫障害の方は、こうした症状を人に悟られまいとして1人で悩むことが多いようです。
精神療法を中心として根気の良い治療が必要です。家族の中に同じような症状を持つ人がいる場合もあり、家庭に問題があれば、家族も一緒に受診する心構えが大切です。
一連の強迫症状は、うつ病、摂食障害、統合失調症などの初期症状や一部の症状として現れることもありますから、家族や周囲の人が異変に気づいたら、早めに受診をすすめることが大切です。


ポイントは
否定的な言動は禁物です。強迫性障害の場合は、本人が強迫観念や強迫行為を意味のないことだと認識していてもくり返してしまい、そのことで悩んでいるのです。
ですから「また同じことをくり返して」とか「そんなこと意味がない」などと、否定するような言動は禁物です。無理に止めさせようとすると強い反発、怒りを招き、症状はさらに悪化することがあります。
この症状は子どもや思春期の若者に多く見られます。その場合は親が積極的に治療に参加することも大切なことかと思います。

 
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