統合失調症〜こころの病気〜

 

統合失調症

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まだままだ「心の病気」は正しい理解を得られていないのが現状です。誤った偏見を持ったり、逆に「病気ではなく、単なる気持ちの持ちよう」といったようなことで解決しようとしてしまう人も少なくありません。
新たな心の病気が増えていると言われる「心の時代」だからこそ、心の病気に対し多くの人々が正しい理解をもって、適切に対応することが必要不可欠なことだと思います。      
  【こころの病気】-統合失調症

統合失調症

典型的な精神病の一つ。よく知られているが、あまり理解されていない。
人口の0.5〜1%が発病するという説もあり今では珍しくない病気です。
幻覚、妄想、行動の異常などが現れ、自分が病気だという認識はありません。


概要
統合失調症は、人口の約0.5〜1%が発病するといわれ、心の病気の中でもよく知られている疾患です。
原因は今のところよくわかっていませんが、最近では主として脳内のドーパミンという神経伝達物質が過剰に分泌されすぎ情報処理がうまくいかなくなる、という説が研究されています。そのため脳が過度に働きすぎる状態になり精神が混乱するのです。
こうした内的な因子に精神的ストレスなどの外的因子が複雑に絡まって発病するといわれています。

統合失調症は症状の現れ方によって「破瓜型」「緊張型」「妄想型」「残遺型」の4つに分類されます。
破瓜型
思春期に発病することが多く、初期は幻覚、妄想などの体験は少なく、喜怒哀楽に乏しく物事に対する意欲や関心がなくなる、周囲の状況にも無関心になる、といった症状が現れます。
例えば「学校に行きたがらない」「入浴したがらなくなった」など、日常的にしていたことをしなくなります。周囲には「元気がない」「疲れているようだ」と映ることが多く、病気の発見に結びつきにくいため知らない間に進行してしまいます。
急に妄想が現れたり興奮したり、会話にまとまりがなくなるなどの症状が出てはじめて気がつくことが多いようです。
緊張型
特別に興奮する理由もないのに、突然興奮したり、落ち着きなく動き回ったり、大声を出したり、しゃべり続けたりします。その一方で動きが鈍くなることもあります。他人の勧めや言葉を拒絶する態度をとることもあり、食事や着替え、入浴を勧めても頑として言うことをききません。
また、奇妙な姿勢をとる
 ・一定のポーズを とり続ける。
 ・同じ動作をくり返す。
 ・他人の言葉や動作を真似る。
などの異常も現れます。一日中横になっていることもあり、声をかけても反応しません。
一見意識がないように見えることもありますが記憶はハッキリしています。
妄想型
破瓜型や緊張型に比べると、比較的、発病時期が遅い傾向があり、30歳〜中年以降の発病が多いといわれます。文字通り、妄想・幻覚が症状の中心で、妄想や幻覚に関連しないことでは相手に合わせた会話ができます。
初期は「なんとなく周囲の人が自分を嫌っているようだ」「自分の噂をしている」とい った被害妄想から始まります。近くにいる人の動作や小声など、ちょっとした出来事を被害妄想に結びつけて考え、周囲の人に苦情をいうこともあります。
軽症のときは、ただ「変わった人」と見過ごされることもありますが「盗聴器が仕掛けられている」とベランダの置物を壊す。などの行動があった時に、はじめて病気が発見されることが多いのです。
残遺型
統合失調症の治療を続け、回復してきた患者さんに多く見られるタイプです。幻覚や妄想はほとんど消えていますが、喜怒哀楽が乏しい、表情がない、会話の内容が乏しい、気力がない、周囲の出来事に関心を示さないなどの症状が主です。
※日本では「破瓜型」が多いといわれますが、以上の分類はあくまでも便宜的なもので、実際には
 「破瓜・緊張型」など、 いくつかの型が混合していたり、どれにもあてはまらない場合もあります。


どんな症状
統合失調症の症状は、思考・知覚・知能・感情・意欲など、多方向に及び、
主に次のようなものがあげられます。

-幻覚・幻聴症状-
総合失調症の主な症状はこの幻覚です。実際にいない人や 物が見えたり、ヒソヒソ話など、その場にいない人の声が聞こえたりします。幻聴の内容は物音というよりも自分の悪口を言っている声が聞こえたり、「そこから動くな」といった命令的な声や「なぜ、あんなことをした」など、自分の行動や考えを批判する声が聞こえてくることが多いようです。ときには、複数の人の声が頭の中で対話しているという幻聴までみられます。
そのほかに「食物の味がおかしい」、「誰かに触られている」といった幻覚もあります。

-妄想-
ほとんどの妄想が自分が被害者であり、周囲の出来事や人の行動を被害的に自分に結びつけるという内容のものです。初期には「なんとなく周囲の雰囲気がおかしい。大災害が起こりそうだ」という漠然とした恐怖や不安(妄想気分)を抱き、不安や恐怖を周囲の人に話すようになります。
さらに
 ・人に追われている。(追跡妄想)
 ・周囲の人はみんな敵で、自分を殺そうとしている。(被害関係妄想)
 ・食事の味が変だったのは、毒を盛られていたからだ。(被毒妄想)
 ・私の部屋にはのぞき穴があり、いつも部屋 をじっとのぞかれている。(注察妄想)
 ・何かが自分にとりついている。(惹依妄想)
などがあります。
症状の進行とともに、具体的な妄想を訴えるようになりますが、周囲の人に否定されことにより、
次第に妄想を話さなくなります。

-会話・行動の異常-
会話が急に途切れたり、同じ言葉をくり返したり、話しかけてもまったく別のことをしゃべりはじめたりします。意味不明の言葉を使う、話の筋道がまとまらない、支離滅裂な内容の話をすることもあります。
声も極端に小声だったり、時には大声でわめくようにしゃべったりします。行動面では、理由もないのに笑う、ムッとしたような顔をする、ブツブツ一人言をいう、他人の姿勢や行動を真似する、同じ姿勢をとり続ける、食事や着替え、入浴などの基本的なことをしなくなるなどが現れます。症状の進行とともに、やがては自分の部屋に閉じこもりがちになります。

-感情の異常-
親しい人の不幸の対してお笑いする、喜劇をみて泣き出すといった普通とは正反対の感情表現をすることがある。また、不安、恐怖、緊張感が強く、表情も硬く身体をこわばらせたりします。
ときには現実感の喪失を訴えることもあります。突然イライラ したり感情を爆発させて暴力をふるったりします。悲しい状況なのに大声で笑うなど、状況にそぐわない感情が出てくることもあります。
つまり普通では考えられない感情の混乱、障害が現れるのです。

-その他-
身体が臭くなるほど不潔にしていても平気だったり、部屋がゴミ山のようになっていても片付けないなど、周囲から見ても明らかに普段と違うと感じられる。
特殊な例として、強迫症状の強い場合があり、物事をすべて左右対称にきっちり置き分ける、絵を描かせると奇妙にきっちり分かれた対称的図柄が現れることがあります。


対策は
初期に適切な治療をすれば、かなり改善するケースが多いですが、症状が進むと治療しにくくなります。
少しでも異変を感じたなら専門医に相談することが早期治療のカギといえます。

自宅で総合失調症を克服したい場合、カウンセラー長野安晃先生による統合失調症・脱出マニュアル〜統合失調症改善の秘策〜がオススメです。統合失調症の症状に悩んでいる、、、という方には最適です。


ポイントは
統合失調症は不治の病、人格崩壊につながる怖い病気、という認識がまだまだ根強いようです。しかし、回復して社会復帰を果たしている方や、何らかの形で社会に適応し生活している方もいます。家族や周囲の方は、この病気を理解し、偏見や不安、嫌悪感などを減らすように接することが大切かと思います。

 
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