躁うつ病(双極性気分障害)〜こころの病気〜

 

躁うつ病(双極性気分障害)

 メンタルヘルス雑学トップ > こころの病気 > 心の病気の種類 > 躁うつ病(双極性気分障害)
メンタルヘルス雑学

まだままだ「心の病気」は正しい理解を得られていないのが現状かと思います。誤った偏見を持ったり、「病気ではなく単なる気持ちの持ちようだ!」というようなことで解決しようとする人も少なくありません。
新たな心の病気が増えつつある「心の時代」だからこそ、心の病気に対し多くの人々が正しい理解を持ち適切に対応することが必要不可欠なことだと思います。     
  【こころの病気】-躁うつ病(双極性気分障害)

躁うつ病(双極性気分障害)

総合失調症と並ぶ2大精神障害といわれています。
落ち込みや憂うつといったうつ状態と、気分が八イになる躁状態とが交互に現れ、
社会生活に支障をきたすことが多くなります。


概要
躁うつ病は精神障害の中でも「感情病」といった種類に入ります。文字通り寂しさや悲しみなど感情が普段の変化以上に常識的な範囲を超えて増幅されたり(うつ状態)、逆に気分が高まって何の根拠もない充実感に満たされたり(躁状態)という症状が現れます。
喜怒哀楽という感情の変化は誰にでもあることですが、悲嘆や落ち込み、気分の高まりが、普通に体験する出来事にしてはより強く現れ過ぎたり、その出来事とは無関係に感情の変化が現れ、自分でコントロールできなくなります。

大きくは、以下の3つに分けられます。
 ・躁とうつ状態の両方が交互に現れるもの(双極型)
 ・うつ症状が主体のもの(うつ病型)
 ・躁状態だけが現れるもの(単極型躁病)

躁うつ病になると対人関係や仕事の遂行能力が損なわれ、家族もいろいろなトラブルに巻き込まれることがあり、自らも苦しむことになります。発症頻度は、うつ病型、双極型、単極型躁病の順に多いです。

病因はセロトニンやノルアドレナリンなど、脳内の神経伝達物質の量の病的な変化や、これらに反応する部位の異常、遺伝、ホルモン代謝異常、それに心理・社会的諸要因などが複雑にからみあって発症するといわれています。しかし本当のところはまだ解明されていません。


どんな症状
最も多い躁状態とうつ状態が交互に現れる躁うつ病では、うつ状態と躁状態が同じぐらいの間隔でやってくるもの、うつ状態が長くて躁状態が短いもの、やその逆のケースなど、色々なパターンがあります。

繰状態になると、全てが楽観的になり、気分は爽快で気力が充実し、睡眠時間が少なくても元気に過ごせます。口数が増え、しゃべり方も流れるようにスムーズになり、あらゆるものに興味を示します。
表情も生き生きとし、自分が偉くなったような、何でもできそうだという誇大妄想に陥ります。
自分が大金持ちになったような気持ちになり、非常識的な浪費、ギャンブルなどに走り、問題を起こすこともあります。
思考、行動面でも抑制が利かなくなり、考えが次から次へと湧き出し、朝から晩まで友人を訪ね歩いたり、深夜でもおかまいなく電話をかけて話をします。

こうしたことを非難されると、ささいなことでも興奮し、攻撃的になります。 さらに症状が進むと、落ち着いていられず、大声で歌を 歌ったり、踊りまくったりす るという行動もみられます。また、周囲から非難されたり、無理やり抑えつけようとすると、激しい興奮状態になり、暴れだすこともあります。

躁からうつに移行する境目や、躁とうつの混じった状態では、感情、思考、意欲などがバラバラになり、不機嫌で怒りっぽくなることが多くなります。


対策は
躁うつ病は、躁状態のときは病気だという自覚が少ないのが特徴です。ですから軽い躁状態のときに、周囲が気づいてあげて、早めに受診させることが大切です。気分が高揚し、自信過剰で何もかもがうまくいくと思っているため、受診を勧めたりすると、イライラしたり怒りっぽくなることもありますが、暴れるなどといった激しい躁状態に進行する前に、強く受診を促すことが大切です。
受診を遅らせるほど回復のチャンスを逃してしまうのです。


ポイントは
繰うつ病では、躁状態を抑える薬と、気分を安定させる薬などの薬物療法が中心となります。
服用中は、気分が安定してくるものですが、これを「治った」と誤解して、自分や家族の判断で薬を止めてしまい、ぶり返すことがよくありますので、医師から指示が出るまで、薬はきちんと服用することが大切です。
また、繰うつ病の人を持つ家族は、一連の症状に驚き、歯がゆさも募ってきますが、「病気にかかっているんだ」 という認識を忘れずに、励ましたり、叱ったりしないことが大切かと思います。

 
Copyrightc 2006 メンタルヘルス雑学 All rights reserved.