大脳辺縁系〜こころの病気〜

 

大脳辺縁系

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こころの病気には解らないことが多く、未解明な部分が大勢を占めていましたが、
近年、脳科学の研究が進歩し、少しずつ脳と心の関係が解明されるようになりました。       
  【こころの病気】-大脳辺縁系

【大脳辺縁系】
大脳半球の下の方にある領域で、海馬、扁桃体、帯状回などの部位が属し視床下部を包む形で位置します。大脳皮質の内側にあり、脳幹の周囲にある部分にあたります。

大脳の古い皮質と言われており、人間に進化する前の性質、つまり動物として生きて行くために必要な機能を持った部分でもあります。感情や記憶が生まれる中枢で、怒り、悲しみ、恐怖などの情動と密接に関係するといわれる部位ですね。

ここには、記憶の形成や保持に重要な働きをする海馬とその先端に、情動の中心的な役割を担う扁桃体があります。大脳辺縁系は、内分泌系と自律神経系に影響を与えることで機能しています。
また、側座核といわれる構造と相互に結合しており、これは一般に大脳の快楽中枢として知られている部位です。
あまりに強い刺激(驚愕、恐怖体験など)を受けると、扁桃体が電気のブレーカーのような役目をして、それを海馬に伝えないように働きます。こうした体験のあと、その出来事を忘れてしまうことがあるのはそのためです。

海馬における記憶の保存期間は2年程度といわれ、それ以上の長期記憶は次の大脳新皮質で行われるといわれています。

人間以外の哺乳類では大脳の多くを占め、いわゆる「古い脳」がほとんどということです。
情動脳と表現されることもあるように、ここで生まれる情緒は「快・不快、好き・嫌い、怒り・恐怖、接近・回避、攻撃・逃避」などであり、生物がその生命を維持するために非常に重要とされています。

本能行動や情動に重要な役割を担っているのが大脳辺縁系ということになります。


 
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